川崎市には、外国人市民が市政に意見を届けるための「川崎市外国人市民代表者会議」があります。1996年に条例で設置された会議で、公募で選ばれた外国人市民が自分たちでテーマを決めて調査審議し、その結果を市長に報告します。当社の代表取締役も、この会議の代表者を務めています。この記事では、会議の仕組み、これまでの提言、そして外国人市民が参加したり傍聴したりする方法をまとめます。
どのような会議か
川崎市の公式ページによると、市は外国人市民を「ともに生きる地域社会づくりのパートナー」と位置付け、1996年12月に外国人市民の市政参加の仕組みとして代表者会議を条例で設置しました。根拠となる川崎市外国人市民代表者会議条例(平成8年10月3日条例第25号)の全文は年次報告の資料編で読めます。第1条は、外国人市民に自らに関わる問題を調査審議する機会を保障し、市政参加を推進することで、相互に理解しあい、ともに生きる地域社会の形成に寄与することを目的と定めています。
会議は26人以内の代表者で構成されます。代表者は自分の国籍の国の代表ではなく、川崎市のすべての外国人市民の代表として職務を行うことが条例第5条に定められています。運営は代表者自身が行い、毎年、調査審議の結果をまとめて市長に報告します。報告を受けた市長は議会に報告し、公表します。2025年度の年次報告では、委員長が「全国に先駆けて条例による外国人市民代表者会議を設置」した市長と市議会に謝意を述べています。
代表者はどう選ばれるか
代表者は2年に一度、公募で募集します。応募できるのは、日本国籍を持たない満18歳以上で、川崎市に引き続き1年以上住民登録している人です。応募者の中から選考委員会が選び、市長が委嘱します。任期は2年で、1期に限り再任できます。
代表者選任要綱では、国際連合人権理事会の委員選出の地域区分に基づく5地域から少なくとも各1人以上を選び、同じ国籍・地域の代表者は4人を超えないと定めています。選考では日本語会話能力のほか、市政への関心、地域や外国人相互の交流状況、共生のまちづくりについての積極性などが考慮され、男女の均衡や地域、年齢にも配慮されます。
会議は日本語で行われ、必要なときは通訳を同行できます(運営要綱第5条)。会議は原則として公開で、出席すると報酬が支払われます。
これまでの提言
1996年度から2025年度までに、教育、情報、住宅、福祉、国際交流、市政参加、防災などに関する60の提言が提出されました。市長は提言を尊重し、全庁的な会議である人権・男女共同参画推進連絡会議で協議し、担当局を中心に施策に反映するよう取り組んでいます。実現した提言として、市の公式ページは次の例を挙げています。
- 川崎市居住支援制度の創設
- 外国人市民情報コーナーの設置
- 「外国人の皆さんへ(窓口や問い合わせ先一覧)」の配布
- 避難所運営マニュアルに多言語版の避難登録カード等を掲載
- 乳幼児健診記入ガイドの作成
- 川崎市立高校における特別募集制度の導入
直近の第15期(2024年度と2025年度)は、「子育て・教育」と「防災・災害」の2つのテーマについて提言をまとめました。日本の教育制度に関する情報を保護者や子どもが得られるようにすること、防災になじみのない外国人市民が発災時に困らないよう広報や啓発を進めることが柱です(第15期の提言)。
参加する、傍聴する、追いかける
会議は年8回から9回、日曜日の午後に開かれます。だれでも申し込みなしで傍聴でき、直接会場に行くだけで構いません。2026年度の日程は市の会議日程ページに掲載されており、会場は川崎市国際交流センターなどです。
会議の内容は議事録と年次報告で読めます。ニューズレターは、ルビ付きの日本語版のほか、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、韓国・朝鮮語、フィリピノ語、ベトナム語の計8言語で公開されています。代表者になりたい方は、次の募集時期に市民文化局市民生活部多文化共生推進課(電話 044-200-2846)に問い合わせるか、市のページを確認してください。川崎市の外国人市民向けの相談窓口については、川崎市国際交流協会(KIAN)の記事もご覧ください。
企業にとっての意味
外国人社員を雇用する企業にとって、代表者会議は、外国人市民が日常生活や子育て、防災のどこで困っているかを知る手がかりになります。年次報告やニューズレターを読めば、社員が直面しやすい課題と、市が用意している窓口や多言語資料を把握できます。
株式会社スィンセーログローバルのサポート
当社の代表取締役は、川崎市外国人市民代表者会議の代表者を務めています。株式会社スィンセーログローバルは、外国人スタッフとその就業先の企業の双方を、複数の言語で、電話、メール、LINEでサポートしています。生活や職場の相談、行政手続きの案内など、お気軽にご相談ください。