人手不足の分野で即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格「特定技能」は、2019年4月に始まりました。出入国在留管理庁の制度説明資料(2026年9月29日更新)によると、2026年6月末時点の在留者数は特定技能1号が425,961人、特定技能2号が18,295人(いずれも速報値)です。この記事では、受け入れる企業の側から見た制度の全体像を整理します。
対象分野と1号・2号の違い
特定技能1号の対象は、介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環の19分野です。このうち自動車運送業、鉄道、林業、木材産業は2024年3月に、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環は2026年1月に追加されました(物流倉庫と資源循環は準備が整い次第運用開始の予定です)。特定技能2号は11分野が対象です。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
| 技能水準 | 相当程度の知識又は経験を必要とする技能。試験等で確認(技能実習2号修了者は免除) | 熟練した技能。試験等で確認 |
| 在留期間 | 3年を超えない範囲で指定される期間ごとに更新。通算で上限5年(相当の理由がある場合は6年) | 3年、2年、1年または6か月ごとの更新。更新回数の制限なし |
| 日本語能力 | A2.2相当以上の試験で確認(技能実習2号修了者は免除) | B1相当以上の試験で確認(省令は2027年4月1日施行予定) |
| 家族の帯同 | 基本的に認めない | 要件を満たせば配偶者と子の帯同が可能 |
| 支援 | 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象 | 支援の対象外 |
| 受入れ見込数 | 分野ごとに設定(全分野で805,700人、2029年3月末まで) | 設定なし |
受入れ見込数の達成状況は、同庁が分野ごとの在留者数として公表しています。2026年7月末時点の速報値では、1号の在留者数は全分野で432,016人、見込数に対する充足率は53.6%です。
受入れ機関になるための基準と義務
特定技能外国人を雇用する企業は「受入れ機関(特定技能所属機関)」として、次の4つの基準を満たす必要があります。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること(報酬額が日本人と同等以上など)
- 機関自体が適切であること(5年以内に出入国・労働法令違反がないなど)
- 外国人を支援する体制があること(外国人が理解できる言語で支援できるなど)
- 外国人を支援する計画が適切であること
受け入れた後は、雇用契約を確実に履行すること、支援を適切に実施すること、出入国在留管理庁への各種届出を行うことが義務になります。届出には、雇用契約の変更や終了、支援計画の変更などの随時の届出と、毎年4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援の状況を翌年5月31日までに提出する定期の届出があります。届出をしなかったり虚偽の届出をしたりすると罰則の対象になります。
受入れ人数の枠は、介護分野と建設分野を除いて設けられていません。一方で、特定技能制度で労働者派遣の形態が認められているのは農業分野と漁業分野だけです。それ以外の分野では、企業が直接雇用する必要があります。
支援計画の10項目と登録支援機関
1号特定技能外国人を受け入れる企業は、職業生活、日常生活、社会生活の支援に関する「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、在留資格の申請時に提出します。省令で定められた支援の項目は次の10項目です。
- 事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居確保と生活に必要な契約の支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理などの場合)
- 定期的な面談(3か月に1回以上)と行政機関への通報
支援は全部または一部を登録支援機関に委託できます。全部を委託した場合は、支援体制の基準を満たしているとみなされます。登録支援機関は出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関で、登録の期間は5年、手数料は新規登録28,400円、更新11,100円です。委託を受けた業務をさらに別の者に委託することはできません。
なお、2027年4月1日からは支援体制の要件が改正されます。支援責任者と支援担当者を事業所ごとに常勤の役員または職員から1名以上選任すること、支援業務に従事できる者を支援責任者等に限定すること、支援責任者に養成講習の受講を義務付けることが主な変更点です。
在留カードで確認する点
採用時には、在留カードの「在留資格」欄が「特定技能1号」または「特定技能2号」であること、「就労制限の有無」欄が「在留資格に基づく就労活動のみ可」であることを確認します。出入国在留管理庁の事業主向けリーフレットでは、在留資格が特定技能の場合は、法務大臣が個々に指定した活動が記載された「指定書」もあわせて確認するよう案内されています。
2026年6月14日以降に交付された新様式の在留カードには在留期間が記載されていません。在留カード等読取アプリケーションの最新版で確認できます(詳しくは新様式の在留カードの確認ポイントをご覧ください)。
国内在住者を受け入れる流れ
日本国内に在留している方(技能実習2号を良好に修了した方や留学生など)を受け入れる場合は、技能試験と日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上)に合格した方と雇用契約を結び、支援計画を作成したうえで、在留資格変更許可申請を行う流れになります。
当社は労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可を受け、日本に住む外国人の方の就業を支えています。特定技能の方は農業・漁業分野以外では派遣ができないため、職業紹介の形でご案内しています。候補者の在留資格と指定書の確認、受入れ機関としての申請書類の準備を企業さまと一緒に進めますので、お電話(090 7841 8887)、メール(info@sinceroglobal.jp)、LINEでお気軽にご相談ください。